注意文 このテキストは1SSの主催者の1人である、鈴木一成によるトーク時のメモに修正・加筆を加えたものになります。トークの書き起こしではございませんので、ご了承ください。

※※※以下敬称略で失礼いたします※※※

1SS>最初のコレクション。きっかけ・好みなどを聞かせてください。

島林>新しいことをやっている作家が好き。ヴィジュアルやコンセプト。

大坂>94年、戦後日本の前衛美術展。草間彌生の衝撃。草間作品が最初のコレクション。既成概念を裏切ってくれる。社会と関わりがあるような作品。

長谷川>コレクションは夫婦で。元は現代演劇が好き。直島の旅行、原美術館で佐伯洋江さんに出会った。買い始めたら止まらなくなった。サイエンスの匂いがする作品。裏側に本質が見え隠れる作品が好き。

花房>現在33歳。コレクター歴33年。牛窓芸術祭のディレクター。玄関にクリスト。部屋には荒川修作という環境で育った。父親に連れられて草間のソフトスカルプチャーを選んだのが小学生低学年という記憶。 ぷさっキャップ限定5個。特別価格2500円で!今日だけ。

1SS>アートフェア東京、3331AFの印象は?

花房>どちらもらしさが出ていた。3331は昨年より買いやすい作品が増えた。チャレンジしている作家もいた。AFTには出会いを求めている訳では無い。知っている作家の質が良い作品が見れる場所。

大坂>一定の質が担保されつつ、買い求めやすい価格の作品が多かった。数十万から200万。

島林>僕は否定的。日本の良いギャラリーが出ていない。年々減っている印象。そういうのはどうなのかな?コンテンポラリーだけのフェアが有っても良いのかも?プロモーションは上手かったと思う。3331は例年通りかな。だんだん慣れて来てた印象。もっと刺激的なことをやってもよいかな。

長谷川>AFTは1時間しかいなかった。けど、面白かったかな。でもブースが小さくなって、大きな作品が展示しづらくなったという話を聞いた。

島林>AFTは骨董とかは良いですよね。

長谷川>縄文土器!

島林>僕の実家の祖父母の畑から出土するんですよ!笑 いずれにせよメリットとデメリットがある。ワンストップで縄文から現代までみれる!

芦川>それは世界のフェアをみても唯一ですよね。

1SS>ではこれは面白かったってのは?

島林>AFTではasakusaのブースが良かった。フェアを通してみて、小さいブースでありながら売りにくいことを承知でグローバルな展示で勝負していた。

花房>人間関係で話してませんか?慣れてくると作品を観ずに、関係性で話だしちゃいますよね!?

島林>そう言う訳でもないんだけどね。作品でいったらラファエル・ローゼンダールが良かった。 駐車場と良くに合うモノクロの作品。笑。あと骨董は良かった! 3331ではプライズは和田昌宏さん。安保法案を取り扱っている希有な作品・作家。あざみ野で観たときから気になっていた。イデオロギーの主義主張としてアートを使うという意味ではなく現代を生きる身としてそれをきちんと扱うという姿勢。

芦川>売りにくい作品を出すことが果たしてフェアに参加する身としては正解なのか?

島林>でも、見る側としてはやはりそういうブースがもっと有っても。

芦川>今の現状で考えると平面作品が増えるのは自然な成り行き。

長谷川>海外はパイが大きいからそう言う作品も多いけど、割合としては変わりないのでは?

島林>コレクターが知らない作家に出会える場としてもアートフェアに期待している。

長谷川>田村友一郎の作品が良かった。あれはAFTの企画展のブースにあった。コンセプチュアルでありながら美しい作品。ブースとしては青空耳かな?あとKANA KAWANISHI。 3331では早川祐太。造形的には壁面の作品が良かったのだが。理系としては、空中にぶら下がっている形態の不可思議さに惹かれた。笑。あとは写真の三善チヒロさん。パッと身で判断するなという戒め。

花房>日本のAFは新しい発見をする場所ではない。松枝悠希さん。でもあのシリーズしかないなら買わないかな。二回成功した作家でないと買う意味がない。松本竣介(戦中に戦争批判した作家)の自画像デッサン 150万くらい。あれが残っているアートフェアって! 皆見る目ないよ! 3331に関しては http://hanapusa.com/text/essay/3331artfair2016hanapusa.html をみるべし。 ミルク倉庫+ココナッツは田中功起より評価されるべき!彼らにはそのうち何処かの美術館が食いつくはず!

鈴木>3331AFの参加プラン 早い段階でミルク倉庫はきちんと企画書を出してきた、AFの意図を上手く組んで勝負してた。

花房>あとは阿児つばさ、可能性しかない作家。笑 あとAFTの陶器については、あの場で真贋を判断するのは難しい。そう言う意味ではとてもリスクが高い。

島林>えーーー。

芦川>リセール可能な作品。ってミルク倉庫は可能なの?世界的な判断やその可能性を判断するには先ずは世界に出ないとなのでは?ミルク倉庫からはそのストーリは見えて来ないなぁ。

花房>その通り。だけど、じつは英国・米国でも国内でしか評価されない作家もいる。そういうのも大事だ。白髪一男なんかはドメスティックなところから世界へ行った良い例。 ぼく個人としてはギャラリーよりも作家を応援したいというタイプのコレクターだと思う。

大坂>Yoshimi Artsのレイチェル・アダムス。既製品のプロダクトの組み合わせから別の世界観を作るという驚き。青空耳の亜真里男のテーマ。原発や日本とアメリカなどのコンセプト。 3331では二艘木 洋行。前から気にかかっていた。今度TALION GALLARYで個展ですね~。

お客様の高際氏>AFTの企画100KIN、FACE UPの打ち出しは弱かったかな。

島林>昨年の屏風とかのように振り切った方が良いね。

高際>北斎の掘出し物(昇り龍)の実物が良かった。プレビューだけで下げてしまったらしい。

芦川>やはりそういうのを見るとやはりコンテンポラリーはそこには敵わないんじゃない?

高際>今年は海外、特に中国からコレクターが多かったらしい。そして骨董を結構な勢いで買っていたようだ。

島林>それでもきちんとコンテポラリーにもコレクターを案内しているのであれば悪いことではない。誘導の問題かな。

長谷川>シャッフルしてみれば良いですよね。

島林>何年か前のシャッフル展(2012)とか良かったですよね。

花房>作品至上主義で考えれば骨董もコンテンポラリーも全部観るべきでしょ。同じ目線で観る。それが自然。そのあとで、コレクションの段階で各々の方向性を考えれば良い。 コレクションを形成して行くことを考えれば、モノをいわないコレクターじゃいけないんだよ!どんどん発言して欲しい。コレクターが一番偉いんだよ。

島林>いやいや対等じゃないの?

芦川>共犯者?

花房>対等な立場じゃきちんと建設的な話にはならないよ。皆は何を良くする為にやって来ているの?ギャラリストは俺が作家を発見したんだ。金をかけてんだ。俺が一番偉いんだ!と言え。そう思ってギャラリストがやっているから。同じようにコレクターは自分が偉い!と言うべきだ。

芦川>実は今年AFTに参加しなかったことを後悔している。東京でギャラリーをやっていて、勝負していくのにフェアに出ることは、全体の底上げを考えるならばそれは義務なのかも。全てのギャラリーがそう思って初めて純粋な勝負が始まって、フェアを含めた東京のアートシーンを引き上げていくことになる。

島林>そうですね。その方が観る側(花房>いや買う側でしょ)も楽しい。

花房>AFTは世界のフェアで比べてもお買い得ですよ。日本の作家は射程が長い。コンセプトもしっかりしている。技術もある。面白い。 日本人はシャイなんだよ。AFTでも海外のブースには皆なかなか入って行かない。 僕はある(海外の)ブースに入って「プライスリスト」って言ったら「NO」って言われた。笑。 そこはAFTが教育しなきゃ駄目だよ。そしてコレクターは片言の英語でも良いからどんどん突っ込まないと。

一同>海外のブース今年は増えたけどイマイチだったよね。

島林>3331はエマージングな作家を紹介するのは良い。AFTでは難しいけど、そう言う側面があると学生もチャンスを取りに行くことができる。それがオルタナティブとしての立ち位置。

鈴木>AFTは従来の欧米型のAFとして成立している。しかし日本独自のマーケットを育てて。と考えると、そこにオルタナティブやエマージングといった周縁をケアしながらコレクターに応援してもらうという新しい形を探求する方法がある気がする。

芦川>やはり東京ではAFTだけでサテライトのフェア等の拡がりがない。

島林>日本のTOPギャラリー全てが出ていないのが問題。

芦川>やはり全てで足並みを揃える必要がある。

花房>G-TOKYOがサテライトみたいな立ち位置でやれば良い。101はどうなった?

田原>101は色々あって2回で終わった。

長谷川>(駆け引き的な)政治がね。問題だよね。

花房>そこ無視して言いたいこと言えば良いんだよ。

お客様の武内氏>でもプライスリスト出してもらえないんでしょ!笑

花房>そうなの僕みたいに政治をガン無視してるとプライスリスト出してもらえないの。

SUNDAYオーナー吉野氏>NICAFからの系譜。例えばサテライトとしてホテルフェアには限界がある。続くかもしれないけど大きくならない。それよりはAFTのガイドの中でやれば良い。諸々角が立たないようにやる。そこが大変。 ワンストップの問題で考えると。フリーズのマスターズの例や、バーゼールでそれら(骨董から現代まで)を並べて出す。それは欧米では、家庭でも観られる光景。 なので寧ろMIXした方が面白い。骨董屋が支えてきた背景をコンテポラリーがどのように引き継ぐか? そうやって観せることで意識を変えて行くことが出来る。 骨董屋はセンスがある。見立て。

花房>コレクターが守られているから育たない。コレクターはギャラリーや作家から見られているんですよ。影では悪口言われてますよ。あのコレクターはバカだなって。そう言う危機感を持っていないと。

吉野>マーケットの状況が良くない方がコレクターは嬉しいよね。

花房>そうなんだよ。だからそう言う人は公の場には出て来ない。まぁ、僕は無視されても言い続けますよ。状況を良くする為に!